石橋 とり天 とき にて

 

 数年前にオープンした「とり天 とき」。以前は老夫婦の営む小さな蕎麦屋さんで、ごくまれに丼やらそばを頂いていたが、閉店された。その後に入ったのがこの店。初代の店長から数えて4代目は、30手前の利発な、酒好きの青年である。「群馬泉」やら、「黒牛」やら、存外(といっては失礼だが、とり天との組み合わせにしては…という意味である)名酒が多い。ここによる時は、豆腐にサラダを食べた後で、鶏のツクネを頂くのが一つのパターンだ。多分、アサヒの中瓶しかなかったお店であるが、あまりに小生がしつこく言うものだから、数本のキリンクラッシックラガーを備蓄してくれるようになった。

 ここは、阪大生の常連が多い。いろいろ難しい勉強をしている若い人たちの話を聞けるのも、たまには脳の刺激になって良い。授業料の積りで数本若い人にビールを置いて行くこともある。テーブル席二つにカウンター4席の小さな店であるが、居心地は良い。人との近さが程よい酒屋である。とり天の持ち帰りも可能だ。

 最近、丸亀の「骨付き鳥」やら宮崎の地鶏やら、いろいろと地方の名物で都市部に店を構えることが多くなった。チェーン店の画一化されたものに飽き足らなくなった御仁には、こういったニッチな店を渡り歩くのも悪くない。石橋には、富山県の魚を振る舞う「ご馳走攻め 風の盆」さん、香川県出身の大将がやっている「骨付き鳥 またたび」さんなど、本格的な店がいくつもある。これも阪大の教職員等を始め、味の分かるお客があってこその事かも知れない。

 ここには、とり天のバリエーションとして、「地ソース」を持参することがある。この日は静岡県浜松市の逸品「トリイソース」を持参した。この出しの効いたウスターソースは全国探してもなかなかあるものではない。

 

 もちろん、キリンクラッシックラガー大瓶 でした。