コロナに奪われる行き場

独り者(その昔はチョンガーなんて言ったもんです
)の小生は銭湯帰りに町中華で餃子をツマミに飲むのが大好きですが、コロナで、風呂上がりにはもう閉店まじかと言う時短要請の昨今。馴染みの店の店主やら常連の大学生諸兄と近所の話題なり報道の話なりするのか日課であったが、コロナが全て奪いとりましたな。しかし、召集令状が来るよりはましと思い直して家飲みで過ごす。忙し過ぎた日本人に強制休暇を取らせた感もある。コンビニやらファミレスの24時間営業も見直して当然と言う流れもうまれたから、良しとするか。

豊中岡町「かっぱ天国」にて

所謂都構想がやっと退治された。岡町から東に真っ直ぐ、桜塚高校を左手に見ながら歩いて夕日丘交差点迄歩くと、かっぱ天国の赤い提灯が見えてくる。ここにうまいもんあり、と言う文言に偽りは無い。ディープ昭和な雰囲気も味の内と思いやや左斜めにあるカウンターを指して進む。看板メニューの餃子以外にはラーメン焼飯ニラ炒めやレバ炒めがあるだけだが、通ってしまいます!セルフサービスのビールをチビチビ飲み進む間に大き目ジューシーな餃子をパクリパクリと。もうここでしか味わえない餃子を求めて来る人は絶えない。店に人に歴史あり。良く行ってた店のマスターらと閉店後に良く食べた味だ。

高槻「凛太郎」にて

阪急高槻市駅から徒歩2分くらいの駅北側ロータリーに程近い店である。魚料理豊富でなかなかリーズナブルな価格設定である。マスターとの出会いは京都先斗町の「土筆」さんである。バイトのウルトライケメンな男子を連れてのんでおられた時に話の中でご自身のお店の名刺を頂いてその後ちょくちょく伺っている。瓶は大瓶、日本酒各種あり、なかなか旨い。f:id:ramses49:20201020095838j:plain

石橋鮨虎本店にて

阪急石橋阪大前駅は西口を出るとアーケード街直結である。そこを左につまりアーケードを梅田に戻るように歩いて3分位かな、アーケードが切れてすぐ右側に鮨虎本店がある。学生時代から数えると30年は来ている事になる。気さくな大将に奥さん、ちらほらと常連さん…一貫から握って貰えるし、絶品のう巻き、焼き魚なんぞも(仕出しなどで忙しい時は遠慮するが)頼める。つい話し込んで大瓶二本からの日本酒になる。客層も銀行の幹部から学者さんからお商売人さんまで。色々な職種ありで経済や政治の話までゆっくり出来る。落ち着いた店である。三代目は決まっているから、安心である。満鉄の食道部にいらしたと言う先代から60年以上の昔ながらのお寿司で一献もオススメである。キリンラガーf:id:ramses49:20201014093222j:plain]大瓶です。
最近は頓に回転寿司しか行かないと言う人も多いし、難しい所ではあるが、こう言う本物の寿司をたまには食べて、静かに集中して食べると言う体験を子供たちにもさせておいて欲しいものである。

蛍池「餃子のます」にて

f:id:ramses49:20201013155652j:plain阪急蛍池駅から徒歩23分にますと言う中華料理店がある、はっきり言って入りにくいかも知れないが、創業48年の昔からある地元の名店だ。盛りが多いし、中華料理店とは思えない、カレー、トンカツオムライス煮魚、日に依っては刺身もあり、なんとも安いし品数豊富。呑兵衛フレンドリーなお店である。小生昼飯を食べに良く利用させてもらい、晩は決まってクラシックラガーか秋味を焼魚とじゃこおろしで開け始めるのである。77歳のマスターと常連さんとの忌憚のないやり取りが心地良い。こう言う街のお店に後継者がなく、やがては行けなくなるのは寂しい限りである。商売人が育たない仕組みが作られてしまっている、テナント料で潰れるか、仕入れに行き詰まるか。街の顔がなくなり、地元の行事や祭りの担い手の商店主が減り続ける…ローカルなコミュニティは何処へ行くのかと思わずにはいられない。かつては阪大にしょうぼうしに警察署にと弁当を沢山届けて、猛烈に鍋を振って働き沢山の人の昼飯を支えてきたご夫婦だが、働けば報われた時代は遠い昔で、現代の若者がこう言うお店を継いだり開いたりするには希望がない。でぃべしか儲からない、何かを捨ててしまっている気がする。

立川 ふじにて

小生、関西ばかりを飲み歩いている訳もなく、たまには関東で飲む。暑さが一段落した関東で仕事の折、立川に寄る。八王子の人口(58万)が既に鳥取県(59万)に迫り、隣の相模原(72万)が島根県(69万)を追い越して、政令指定都市になっている昨今である。

 立川飛行機の「軍都」だった立川も、駅周辺には住宅こそないが商店は数知れず。そんな街にもあります、味のある飲み屋は。

 立川駅南口から東へ5分程歩くと、道沿いになにやらそそる赤ちょうちん。「ふじ」がある。どう見ても数十年は営業している佇まいである。直感を信じて暖簾をくぐる。

 L字のカウンター一つに道路向きに座敷。大将と御嬢さんと思しき二人で営業している。ビールを頼む。なんとサッポロ赤星の大瓶である。これだけで気分が盛り上がる。

 とつとつと大将と話しながら山芋に刺身にと肴を注文し、結局4本飲む。最後に地元の日本酒を一合。なかなか満足の行く晩となった。

 因みに、平成最後の夏。ここまで来たのだからと、八王子の多摩御陵に参り、大正天皇貞明皇后昭和天皇・光淳皇后のご陵墓に参拝させて頂いた。整備から1世紀程の時間で、並木も立派な巨木になっていた。平和な良い時代に生んで頂いたものだと感謝に絶えなかった。

曽根 「酒菜 岡崎」にて

 阪急曽根駅には、関西では名の知れた名店が多かった。今は高架になってしまったが、以前は東口に最後まで残っていた「パルナス」の曽根店があり、西口にはかつて一大勢力を誇ったという餃子の「かっぱ天国」があった。今は神戸の本店もなく、岡町駅から東に大分と歩いた夕陽丘に支店が残るのみである。

 その曽根に14年前に表題の「酒菜 岡崎」が開店した。阪神電鉄千船駅近くの「大旺寿司」の支店というか、お兄さんが経営している「大旺寿司 曽根店」の職人さんだった岡崎さんがこの地で独立したものである。

 寿司屋さんの職人さんは修業がしっかりしている。出汁巻を作ってもらえばその腕前は一目瞭然である。肴に煮炊きものを中心に和食の世界。もちろん寿司だって握ってもらえる。年季の入った散髪屋さんの脇を路地風に入ってゆくと突き当りに玄関。入って右がカウンターで、左には座敷卓が二つ。

 魚だけではなく、オリジナルの37度の甕焼酎を飲みに通う人も多いとか。小生はこの日10年ぶりくらいに飲みに出た。

 お造り、出汁巻、若竹煮、手作り豆腐、モズク酢、豚の角煮、蕗の炊いたんをつつきながらビールと日本酒を飲み進めた。

 世の中、相変わらず「加計・森友」と米朝会談。中共チベットウイグル南沙諸島で繰り広げている悪行の数々を詳細に報道すればよいものを、と思いながら飲む。

 きっとAIを駆使して思想チェックをしている輩もいるのだろう。ご苦労様である。

因みに、キリンクラッシックラガー 中瓶でした。